Googleアドセンス

入社

入社に際する雇い入れ時の健康診断実施義務の根拠と理由を解説

投稿日:

健康診断実施義務の根拠と理由

皆さんは毎年、健康診断を受けていますか?

 

大学生の方なら、

大学で年に1回の健康診断を受診できますし、

社会人の方であれば、

会社が実施する定期健康診断を

毎年受診していることと思います。

 

更に、春から新生活をスタートさせる方の

大半は、雇入時健康診断(入社時健康診断)を

受診されるでしょう。

 

しかし、なぜ入社時に健康診断を

受診しなければならないのか、

意外と知らないですよね。

 

今回は、健康診断の歴史と変遷から

入社に際する雇い入れ時の健康診断実施義務の根拠と理由」について

とことん調べていこうと思います。

 

ぜひ、最後までお読みください。

-スポンサーリンク-

入社に際する雇い入れ時の健康診断実施義務の根拠と理由を解説

では、まずは健康診断の発祥から調べていきましょう。

日本の健康診断、古くは江戸時代から?

世界初の健康診断は、今から150年前の

イギリスで行われ、その後、アメリカや世界の

企業へと広がっていきました。

 

日本で健康診断を実施した最初の記録が

残っているのは、1865(慶応元)年、

幕府典医・松本良順が新選組隊士170数名に

実施したという健康診断です。

診断結果では、なんと70名以上の構成員が

病気にかかっており、ワースト3は風邪、

食あたり、梅毒でした。

更に、心臓肥大や肺結核といった重篤な患者も

1名ずつ発見されましたが、このとき肺結核と

診断されたのが、あの沖田総司なのでした。

ゆり
こんなに古くから健康診断が行われていたのですね!

雇い入れ時健康診断が法令化されるまで

日本では江戸時代に起こった健康診断の

歴史ですが、日本ではまだ一般的では

ありませんでした。

 

日本でも会社が健康診断をスタートさせた

きっかけは、今から100年以上前の

1911(明治44)年、「工場法」の制定です。

 

工場法は、工場労働をする児童・年少者や女子の

保護を主目的とする法案で、

明治政府がイギリス等の先進国に倣って

制定を目指していました。

しかし、まだ年季奉公や紡績女工が主流の

時代、経済情勢、日露戦争、そして紡績業界の

反対などにより、成立には困難を極めましたが、

紡績女工が過酷な工場労働によって

その多くが結核に感染しているという惨状が

政府の調査によって明らかになり、

有識者らが職工の保護を訴えたことで

世論を動かし、成立に至りました。

 

法案提出から制定まで14年もかかった

工場法ですが、適用範囲が限定されており、

労働者にとって充分な内容ではありませんでした。

 

工場法の適用範囲

・常時15人(1923年改正で10人へ)以上を使用する工場

・事業の性質が危険または衛生上有害な一定の工場

 

工場法での健康診断の検査項目

・感染症(結核、赤痢等)、身体測定、視力、聴力、ツベルクリン反応

 

 

その後、第二次大戦前の児童の発育検査が

日本での本格的な健康診断制度の始まりとなりました。

 

戦後は不衛生な環境から結核が大流行し、

更に深刻な失業問題も起こりました。

政府は、戦後すぐに多くの労働に関する法律を作り、

国の政策としての失業対策事業も実施しました。

 

そんな中、会社の雇い入れ時健康診断と

毎年の定期健康診断の実施義務を

盛り込んだ法案が成立しました。

1947(昭和22)年4月に制定された、

「労働基準法」と「旧労働安全衛生規則」です。

ご存知の通り、労働基準法は労働契約の

基本ルールと最低基準を刑罰付きで

法定化した法律です。

また、旧労働安全衛生規則は、労働基準法に

基づいてより具体的に定められた規則です。

 

労働基準法と旧労働安全衛生規則では、

労働者が常に健康な状態で働くためには、

感染症(結核等)などの健康異常を

早期発見することが必要であるため、

定期的な健康診断の実施が不可欠であることから

労働者の健康診断の実施を事業者に義務づけました。

工場法では限定されていた適用範囲も、

ほぼ全業種にまで拡大されました。

 

こうして、健康診断が広まっていったのですね。

戦後すぐの頃まで結核は不治の病だったので、

政府としても結核対策は急務だったのでしょう。

-スポンサーリンク-

雇い入れ時健康診断の現在

現行の法律では、1972(昭和47)年に施行された

労働安全衛生規則」で雇い入れ時健康診断

について定められています。

 

事業者は、常時使用する労働者を雇い入れる

ときは、当該労働者に対し、次の項目について

医師による健康診断を行わなければならない

(労働安全衛生規則第43条 より)

 

ここでいう「常時使用する労働者」というのは、

労働時間が週30時間以上かつ1年以上の

雇用見込みのある労働者なので、

パートタイマーや契約社員でもこの条件に

該当すれば対象になります。

また、ここでいう健康診断というのが、

雇い入れ時健康診断です。

 

この労働安全衛生規則は、労働基準法と

労働安全衛生法から作られたものなので、

規則」といえども法的拘束力があります。

 

こうして一般化された雇い入れ時健康診断

ですが、現在も進化を続けています。

雇い入れ時健康診断の進化

開始当初は結核等の感染症対策としての

性格が強かった雇い入れ時健康診断でしたが、

近年では国民の健康水準の向上等にともない、

生活習慣病の予防に重点を置いたものと

なっています。

雇い入れ時健康診断の検査項目の変遷

●1951年(昭和26)年

ツベルクリン反応が胸部X線・喀痰検査に変更

(結核予防法)

 

●1972(昭和47)年

血圧測定が追加(労働安全衛生法)

 

●1989(平成元)年

貧血、肝機能、血中脂質、心電図検査が追加

 

●1998(平成10)年

HDLコレステロール、血糖検査

 

●2008(平成20)年

腹囲追加、総コレステロールが

LDLコレステロールに変更

 

また、最近では脳や心臓の疾患による

労災支給決定件数も増加しているため、

雇い入れ時健康診断と定期健康診断の

両方で対応していくことが、

今後の課題となっています。

 

それでは、

そろそろ要点をまとめていきましょう。

-スポンサーリンク-

まとめ

今回は、

入社に際する雇い入れ時の健康診断実施義務の根拠と理由を解説

というテーマで調べてみました。

要点をまとめると、以下の通りです。

メモ

・健康診断の発祥は、約150年前のイギリスで、日本では松本良順が新選組に実施した健康診断が最も古い。

・日本の会社が労働者の雇い入れ時健康診断を実施するようになったのは、
 今から100年以上前だか、現在のように広く普及したのは今から70年ほど前。

・雇い入れ時健康診断の法令化には、かつて日本の国民病といわれた結核が影響を与えた。

・現在、会社は労働基準法と労働安全衛生法からなる
 労働安全衛生規則によって、雇い入れ時健康診断を実施する義務がある。

・雇い入れ時健康診断の検査項目は、国民の生活水準の向上により、
 重点を感染症対策から生活習慣病対策へとシフトチェンジしている。

 

これで、会社が雇い入れ時健康診断を実施する

義務を課せられるようになった根拠と理由が

わかりましたね。

 

日本は衛生的で、予防医学も進んでいる

ということは、私たちにとって当たり前のことですが、

私たちが当たり前に享受している健康で衛生的な

暮らしは、昔から国や国民が切実に求めて

やっと手に入れたものです。

これからも大切にしていきたいですね。

 

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

最後までご覧いただき有難うございました。
気に入っていただけたらSNSのフォローもお願いします!

今日もあなたにきっと良い事がありますように。

『生活・暮らし』のカテゴリー一覧を見る

「入社」関連の記事一覧に戻る

TOPへ戻る

SNSフォロー依頼

アフリエイト誘導

Googleアドセンス

-入社
-

Copyright© きっと良くなる.com , 2024 All Rights Reserved.