筆者:精神科専門医 岡田夕子
「自分は育児ノイローゼかもしれない」「病院に行って、助けてほしい」そう思った方が、このページに来てくれたのではないかと思います。
しかし、何科の病院に行ったらいいかわからない、そんな方が多いのではないでしょうか?
総合病院に行っても、数えきれないほどの科があって、クラクラしてよくわからなくなってしまうのも、当たり前だと思います。
だってイメージがわかないのですから、戸惑うでしょう。そんなあなたにこそ、この先を読んでほしいと思います。
どんな薬があるの?何科に行けばいいの?全て解決するはずです。
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育児ノイローゼは病院の何科を受診すれば良い?病院以外の解決方法も模索すべき理由
それでは、順を追って説明していきたいと思います。
まずは出産した(もしくは定期検診に通った)産婦人科に相談してみよう
誰しも、まったく入ったことのない病院に入るのは、勇気が必要だと思います。
でも、半年以上通い慣れた産婦人科なら、入るのには勇気はそこまで必要ないのではないかな、と思います。
里帰り出産をした方でも、近くに定期検診に通った産婦人科があるのではないかと思います。
まずは、そこに電話をしてみましょう。
受付の人でも、看護師さんでも、まずは自分の苦しい気持ちを相談して、診察に行きたいと伝えてください。
そして、次は診察に行ってみましょう。
ただし、産婦人科の先生は育児ノイローゼを診るプロではありません。
お話はたくさん聞いてくれても、専門的なお薬を使うとなると、その道のプロに任せたほうがいいと思います。
「専門の先生に相談したいので、紹介状を書いてくれませんか」「どこかにいい病院はありませんか」と言ってみましょう。
産婦人科の先生は忙しいですが、その日には無理でも、紹介状は書いてくれるはずです。
そして、もし知り合いにいい先生がいたら、その病院を教えてくれることでしょう。
心療内科(もしくは精神科)に行ってみよう。
育児ノイローゼを専門に診ている先生に診てもらいたいと思った時、行くべきは心療内科(もしくは精神科)です。
心療内科も精神科も、名前は違いますが、クリニックであれば大きな違いはありません。
行くときは、できれば旦那さんなどの家族にも一緒に行ってもらえるといいですね。
ただ、相談に行く前に、2つ、考えておいて欲しいことがあります。
ポイント
① 薬を飲もうと思っているか、いないか。
② 授乳を続けたいと思っているか、そうでないか。
この2つのことを考えるときは、自分の気持ちをまず第一に考えてください。
家族に相談しても構いませんが、家族の理想を押しつけられても、自分の意思を大事にしてください。
特に年配の人などは、古い考え方を貫いている人がいます。
「母乳じゃないと」「お母さんなんだからしっかりしなさい」「そんなことで薬なんて」そういう人こそ、一緒に病院に行ってもらってください。
そして、今のあなたの育児ノイローゼの状態は、病院に行くほどなのだとお医者さんから説明してもらいましょう。
授乳を続けるという選択肢を選んだのであれば、漢方薬とカウンセリングが中心になるかと思います。
授乳を続けないという選択肢を選んだのであれば、一般的なうつ病に使う抗うつ薬が処方の中心になると思います。
あなたが少しでも楽でいることが、赤ちゃんにとっても周囲にとってもいいことなのです。
だからどんな選択肢を選んだとしても、それは間違いではありません。
保健所に電話をしてみよう。
保健所というところは、本当にいろいろなサービスの情報を持っています。
また、保健師さんがいてくれて、1歳健診や3歳半健診で子供を見てくれたりもします。
保健師さんは、自宅まで出張して話を聞きに来てくれることもあります(その保健師さんの忙しさや、時間的な制約はもちろんありますが)。
また、通院にかかる費用を少しでも楽にする制度(自立支援医療)や、本当に辛い場合は、いったん子どもと離れる時間をなんとか作れないか相談してみましょう。
育児ノイローゼで苦しいのは、あなただけではありません。
ですから、保健師さんはいろいろな育児ノイローゼの人の話を聞き慣れています。
保健所に連絡をしておくことは、プラスであることはあってもマイナスになることは絶対にありえません。
病院に行く場合でも、保健所に電話をする場合でも、知られたくない周りに知られてしまうことも、心配しないでください。
仕事上の「守秘義務」があるので、こうやって関わってくれた人たちは、あなたの話をあなたの周りの人たちにすることはありません。
薬を使うかどうかの選択に自分だけで結論を出せない場合の相談先としてもおすすめです。
生活の中に入ってきてサポートしてくれるのが保健師さんなので、あなたと同じ目線で考えてくれることでしょう。
安心して電話をしてみてください。
まとめ
育児ノイローゼで行くべき病院は心療内科(もしくは精神科)であることを説明させていただきました。
その際には、以下のポイントを考えて受診して欲しい事をお伝えしました。
① 薬を飲もうと思っているか、いないか。
② 授乳を続けたいと思っているか、そうでないか。
上記の2点を考えていってほしいこともお伝えさせていただきました。
また、育児は生活の一部なので、病院だけで解決できるわけではないため、保健所に相談するという選択肢をお伝えさせていただきました。
今を苦しんでいるあなたに、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
最後までご覧いただき有難うございました。
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今日もあなたにきっと良い事がありますように。